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多様なカスタマイズ要望にも柔軟に対応。
導入から保守まで窓口を一本化し大型プロジェクトを包括支援
POSレジとセルフオーダーのシステムを集約したことで管理用マスタが一本化でき、運用管理業務の効率化に寄与
トラブルが発生したときの問い合わせや通報の手間が大幅に軽減
予約アプリとPOSレジシステムを連携させ、お客様の利便性を向上

テーブルでのセルフオーダー形式の焼肉食べ放題店『焼肉きんぐ』や寿司としゃぶしゃぶの食べ放題店『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』をはじめ、ラーメンやお好み焼など、外食チェーンの経営やフランチャイズ展開をしている物語コーポレーション様。
「とびっきりの笑顔と心からの元気」を営業コンセプトに、国内705店舗(直営459店、フランチャイズ 246店)、海外28店舗(2024年9月末現在)を展開し、ファミリー層をはじめ、幅広い層から支持されています。
さまざまな業態を増やすタイミングに合わせて、店舗運営・販売管理システムも既存のものに加えて必要となった機能を新規導入し、カスタマイズしながら運営してきた同社。この数年においては、新500円硬貨・新紙幣の導入決定や新たな決済方法の登場、さらにインバウンドの増加など、外食産業を取り巻く環境の変化が著しく、これらに対応していく必要がありました。
そこで、今から5年前の2019年、システム関連の大幅見直しの検討を開始し、課題の洗い出しを行いました。 これまでは導入時期によりPOSレジシステムの機種が異なり、各機種に合わせて商品や売価などの各種マスタ管理を行っていたため、各機種の仕様に合わせた複数のマスタを作成する必要がありました。
同社執行役員IT推進本部 本部長 岡本兵衛氏は「本部でのマスタ作成業務が膨大になっており、それに伴いヒューマンエラーも発生しやすい状況でした」と振り返ります。POSレジシステム自体も4世代にわたっており、老朽化や保守期限が間近に迫っていました。
さらに店舗側でも、セルフオーダー端末などの老朽化に伴う機器トラブルの発生や電子マネーおよびコード決済などの導入ニーズ、新500円硬貨・新紙幣に対応する自動釣銭機の整備など、取り組むべき課題が増加。また、店舗バックヤードの電話機や複合機などの周辺機器類についても、追加導入を重ねてきたことによる配線の複雑化や、スペースの圧迫に頭を悩ませていたといいます。
そこで、これら課題を解決するためにシステム全体を集約し、流用可能な設備以外はすべて一新することを決定しました。
一方で、業態に合わせたカスタマイズや縦スクロールでの画面操作などセルフオーダーシステムにおけるこだわりや、継続利用したい他社システムについては引き続き使用し、それらに柔軟に対応できるベンダーの調査・検討を開始。
最終的に、ステアリテール(旧NECプラットフォームズ)を含めて3社にまで絞り込み、相談することになりました。

セルフオーダーが設置された『焼肉きんぐ』の店内
ステアリテール(旧NECプラットフォームズ)から飲食店向けPOSレジシステム・オーダーエントリーシステムであるFoodFrontiaシリーズを軸に要望に応じたカスタマイズを行うことを提案し、導入が決定しました。システム全体を集約できることに加えて、食べ放題業態に合わせたセルフオーダーシステムの開発や他社製品・システムの追加にも柔軟に対応しながら、新たな運営体制を構築できる点が選択のポイントになったといいます。
さらに、ステアリテール(旧NECプラットフォームズ)製POSレジシステムの問い合わせ窓口だけでなく、他社製の周辺機器も含めた保守窓口を一本化するとの提案が採用の決め手に。「店舗には、配膳ロボットや監視カメラ、PC、決済端末などNECグループ以外の製品も多く、トラブルがあった場合には問題箇所や機器を把握したうえでそれぞれのメーカーに問い合わせる必要がありました。
今回の刷新プロジェクトに関する問い合わせだけでなく、設置後の保守窓口も一本化するという提案は現場業務を大きく改善できると期待できました」と、岡本氏は話します。大規模な刷新プロジェクトということで投資額は大きくなりますが、設置・導入後も開発プロジェクトが継続することや機器の流用による次期更新時のコストダウンを見越し、最終的に採用を決断しました。
2021年から始動した同プロジェクトは、まずセルフオーダーシステムのカスタマイズから着手。追加ニーズにも対応しながらソフトウェア開発を進めた後、ハードウェアの更新として全国の『焼肉きんぐ』『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』『丸源ラーメン』『お好み焼本舗』業態の店舗に加え他業態店舗にも段階的に導入していき、2023年に全店舗の導入が完了しました。
その後『丸源ラーメン』にセルフオーダーおよびフルセルフレジを増設し、現在(2024年9月末時点)では全店舗にてセルフオーダー端末約19,000台、POSレジ約820台が稼働しています。
POSレジとセルフオーダーのシステムを集約したことで売価の不整合が解消されました。「売価の不整合はお客様に一番ご迷惑がかかる部分なので、これが解消できたことは大きな成果でした」(岡本氏)。

セルフオーダーでも魅力的な料理説明ができるよう、クオリティにこだわったデジタルメニューブック
機器類の導入・設置については、ステアリテール(旧NECプラットフォームズ)で事前にキッティングし、展開センターの管理のもと、切り替え指示書に従って設置工事を行いました。店舗営業時間外での作業に加え、導入期間中はコロナ禍ということもあり、非常に制約された工事でしたが、オンライン会議や共有ストレージを活用することで、双方のIT部門との連携もスムーズに行うことができ、導入も順調に進めることができたといいます。
さらに、保守窓口が一本化されたことで、導入後にトラブルが発生したときの問い合わせや通報の手間が大幅に軽減。また、POSの停電状況などがクラウド上で確認できるようになったので、トラブル内容や原因がリアルタイムで把握できるようになりました。岡本氏は「現地での復旧作業が効率的になったうえ、営業時間前後で対応できるため、店舗運営への影響が8割以上削減できました」と話します。
今回のシステム刷新と併せて、予約アプリとPOSレジシステムを連動。これまでお客様にはネット予約サービスと『焼肉きんぐ』のアプリの両方に会員登録をしていただく必要がありましたが、重複登録の手間を解消したことで、お客様の利便性を大幅に向上させることができました。さらにこの連動によって、これまで店舗スタッフの経験と予測に頼っていた配席案内についても、自動配席が可能になったといいます。
IT推進本部 ITインフラ・サポート部の植杉 允寛マネジャーは、「もともと予約アプリ会社の配席システムを使っていましたが、POSレジシステムと連携したことで最適な自動配席が実現できるようになりました」といいます。同仕組みについては、『焼肉きんぐ』以外の業態店でも順次導入していく予定です。

会計用と配席用のPOSレジシステム
システムの刷新、セルフオーダーシステムへの完全移行から1年が経過し、店舗ではハンディターミナルによるオーダーリング業務が大幅に減り、ヒューマンエラーも解消されました。フロアスタッフは配膳サービスに注力し、お勧めメニューの紹介や味変など食べ方の提案をすることで、お客様の満足度を向上させ、より楽しい利用体験の提供ができるようになりました。また、店舗バックヤードに設置されている電話機の交換や配線の見直し、店舗スタッフから要望があった店舗全体のネットワーク環境の最適化も実現し、本部・店舗全体の業務環境だけでなく運営体制も改善することができたといいます。
今回のプロジェクト完了後も開発プロジェクトは継続しており、「今後は配膳ロボットとの連携も視野に入れていますし、次期更新を見据えた取り組みなども控えています。これからも弊社ニーズと将来を見据えたシステム提案をしてほしいですね」と岡本氏は期待を寄せています。

(2024年12月11日)
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