お問い合わせ

店舗運営に合わせた“引き算”でPOS機能を最適化し管理・運用を効率化
縦型ディスプレイの採用で、お客様の視認性向上と省スペース化を両立
加盟店のオペレーションや店舗運営状況を踏まえたPOS機能の見直しにより、複雑化した機能を最適化しPOSシステムの管理・運用工数を軽減
購入商品や金額、決済方法の提示など、必要な情報を1画面で表示可能に。また画面を上下に分割表示することで新商品やキャンペーン情報も一緒に提供できるようになり、レジ周りの省スペース化を実現
オペレーター側はスクエアディスプレイを継承することで、システム刷新時のオペレーションの引き継ぎや新たな教育が不要となりスムーズな入れ替えを実現

国内約1,300店舗、台湾を中心に海外約400店舗を展開する、日本発祥のハンバーガーチェーン モスバーガー。産地へのこだわりや季節限定のハンバーガー、モスライスバーガーなど、そのおいしさは誰もが知るところです。運営するモスフードサービス様では、食を通じて「心のやすらぎ」「ほのぼのとした暖かさ」を世界の人々に届けることを目指しており、最近では規格外野菜を活用するドリンクスタンドを設置したり、店舗スタッフのアーティスト活動を応援する音楽レーベルMOS RECORDSを立ち上げたりと、新しい取り組みにチャレンジしています。
同社では、2023年に8回目となる更新時期を迎えていました。システム刷新については、1987年からステアリテール(旧NECプラットフォームズ)が担当し、大型刷新だけでなく細かい更新・変更にもカスタマイズで対応するなど、30年以上にわたりPOSシステムの支援体制を構築しています。
近年利用が急増しているネット注文やデリバリー対応、キャッシュレス決済についても、コロナ禍前にはすでにPOSとの連動が完了し、レジ周りには釣銭機やセミセルフレジを導入していました。その結果、コロナ禍においても非接触による安心・安全な対応が可能となっています。時代とともに高機能化するPOSシステムにおいて、必要な機能を積極的に追加してきました。
経営企画本部 デジタル化推進部長代行 兼 IT戦略グループリーダーの森 秀樹氏は「すでに機能面ではほぼ一巡したような状況ということもあり、今回のシステム刷新では具体的に何をすべきか、改めて検討する必要がありました」と振り返ります。
これまでのシステム刷新では、本部・店舗のニーズに応じた機能追加と、さまざまな情報を連携させて本部で一元管理できる体制を構築してきました。一方で、勤怠管理システムをはじめとする外部チャネルとの連携も多様化し、連携先や周辺機器が増加した結果、万が一トラブルが発生した際の復旧遅延リスクも高まっています。前回の刷新時と比べて、POSシステムの連携先が増加したため、確認すべき機能が拡大し、それに伴い移行にかかる費用、期間、労力も増加しました。中には、すでに使用していない機能や数店舗でしか使われていないシステムもあったといいます。
そこで、すべての機能をPOSに搭載させるのではなく、外部との連携が可能な機能については搭載させず、POSシステムのスリム化を検討することにしました。森氏は、「30年近く続けてきたPOSの機能拡張によるシステム刷新から、“引き算”での最適化を検討するということは、大きな方向転換でした」と語ります。
市場調査・情報収集を重ね、最終的にステアリテール(旧NECプラットフォームズ)を含めた3社の提案を検討することになりました。店舗内の省スペース化や保守性向上などの基本的なニーズ、釣銭機や決済端末などの周辺機器・ソフトウェアとの連携の継続を考慮した結果、これまで蓄積してきたソフトウェア資産の活用も踏まえ、ソフト・ハード両面においてPOSメーカーとしての信頼性の高さから、今回もステアリテール(旧NECプラットフォームズ)に依頼することを決定。「これまでも、当社の店舗運用やオペレーションのあり方を理解した上で、さまざまなカスタマイズにも対応してもらっており、安心感もありました」と、森氏は話します。
約2年の準備期間を経て、2023年1月から3か月で1,258店舗に、TWINPOS 9700Ti 2,833台、タブレット端末TWINPOS Sx 780台などの店舗システム、周辺機器類を導入しました。
システムの最適化に向けた機能の取捨選択については、プロジェクトがスタートした段階でステアリテール(旧NECプラットフォームズ)から提示してもらった各種機能の利用状況データから、取り組むべき方向性、投資の優先順位などの判断ができたとのこと。「勤怠管理システムを切り離すなど、以前から検討している項目もあるので、数年かけて段階的に導入できればと考えています」(森氏)
前回導入したポールマウント型POSレジスタイルは継続し、お客様側のディスプレイを縦型に変更。これにより購入商品や金額、対応している決済方法を1画面で表示できるようになり、お客様への視認性が向上しました。
また、新商品やキャンペーンなど、お客様に伝えたい情報は年々増加しています。これまでは、ポスターやチラシ、POPなど、紙媒体での発信がメインでしたが、縦型ディスプレイにしたことで、上下異なる情報を表示することができるようになりました。さらに、購入商品数が多いときにはフル画面表示できるようにカスタマイズし可変性を持たせることで、より視認性や利便性を向上させました。また、常に店舗の課題として挙がる「レジ周りの煩雑さ」についても、TWINPOS 9700Tiに切り替えたことで紙のPOPなどが不要となり省スペース化を実現することができました。

お客様側が縦型、オペレーター側がスクエアディスプレイのTWINPOS 9700Ti
一方、オペレーター側はスクエアディスプレイのままとし、画面構成なども大幅な変更はしませんでした。操作感が変わらなかったことから現場でもスムーズに受け入れられ、お客様の顔をしっかり見て接客ができる余裕も生まれたといいます。
システム刷新プロジェクトは2023年3月で完了しましたが、運用改善・効率化ができる機能のカスタマイズは継続中。これまで注文内容を二度打ちしていたデリバリーサービスは今回のプロジェクト中にシステム連携が完了し、データの手入力作業が解消することで店舗の省力化につながったほか、POSデータを活用したオーナー支援システムについても2024年5月に運用を開始しました。今後は、売上データのビジュアル化も含めた活用段階に移行し、オーナー様がより活用しやすい仕組みを構築していく方針です。
また、現在他社と取り組んでいるテーブルオーダーシステムのPOS連携や、待ち番号表示システムのテスト導入、全店舗の半数近くを占めるドライブスルー店舗の利便性向上といった、店舗システムの拡張にも積極的に取り組んでいくとしています。将来は、キャッシュレス決済の拡大に伴うレジの役割の再構築なども視野に入れていることから、「新規システムに限らず、機能の最適化を前提に、これまで以上に店舗の困りごとやニーズをくみ取った提案をしていただければ」と、森氏は期待を寄せています。
(2025年1月10日)
※記載されている会社名、製品名、サービス名などは該当する各社の登録商標または商標です。
※このページに掲載されている情報は公開日時点の情報であり、時間の経過または様々な後発事象によって変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。